ハル色に染まるるを…


路肩に急停車したと思ったら、ハルくんは
ハンドルに顔を伏せて頭を抱えた。

…そんなに嫌だった?


「…ハルくん…怒ってる?」


私はハルくんの顔を覗き込もうとした。


「んが!!」


突然目の前が真っ暗になる。
顔面がハルくんの掌に収まっていたから。


「こんの、酔っ払いが!!」

…いた〜い!
痛いって、ハルくん!!

「んぐ、おめんまま〜い(ごめんなさ〜い)」

堪らず私は、謝った。
スッと離れる手。

「ごめん、痛かった?」

コクンと頷く私に、ハルくんが焦る。

私の悪戯心に火がついた。
…仕返してやる。

「鼻が痛い、鼻血出るかも。」

鼻を抑える私に、ハルくんは
めちゃくちゃ慌ててシートベルトを外す。

「え"?!」

心配して近づいてきた綺麗な顔めがけて

(オデコぶつけてやる!)

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