ハル色に染まるるを…
ハルくんが立っていた。
「え?ハルくん!?」
…なんで?私、今日何も言ってない。
「そこに来てたんだよ。そしたら、
なんか見た事あるのがいるなーって。」
隣の美容室を指さしながら、
見透かしたように、ハルくんが言う。
「あ!ほんとだ!髪がない!」
ーー格好いい。
いつになく短髪に切ってスッキリした
ハルくんを見て、私は思わずそう言った。
「おい、そりゃ語弊あるよ。」
ハルくんの抗議に、松田さんが
笑っていった。
「仲がいいんですね。」
すると、ハルくんはビジネスライクな
笑みを浮かべながら、答える。
「えぇ。ありがとうございます。
ゆい、家帰ろうか。」
ハルくんの作り笑顔初めて見た。
ーーレア!!
「うん。あ、松田さんじゃあ、
今日はありがとうございました。失礼します。」
私は慌てて松田さんに一礼すると
ハルくんに付いて歩いた。