ハル色に染まるるを…



恐る恐る挨拶をした。


「……こんにちは。」


ーーガッタン!!


「うわ。ホントにゆい様だ。
お兄ちゃん凄い!
あ、あの!松田花楓です!」


「……。」



えぇ……私、本間ゆい。
今とても困惑しています。


目の前には、カフェの
テーブル席から、鉄砲玉の如く
飛び出してきた美少女。



……そして、彼女。


名乗ったあと、頭がつま先に
付く勢いでお辞儀したきり



……頭を上げない。





「あ、あの……花楓さん?
…………わっ!!」


「はい!花楓ですっっ!!!」


頭を上げないと思ったら。

今度は、私の顎にぶつかるんじゃ
ないかって勢いで
思いっきり顔を見せる。


で、手をガッチリ握られました。


両手で。


それも縋り付くように……


これ、どう反応したらいいの?
全く未経験すぎる。


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