ハル色に染まるるを…



「あ、すみません!本間先生。
うちの母です!ちょっと心配性で……
付いてきちゃって。」


私の顔に「誰?」と
書いてあったのだろうか。


松田さんが、慌てて説明してくれた。


「あ!そうなんですね!
初めまして。本間ゆいと申します。
松田さんには、いつも本当に
お世話になっております。」


私は、ようやく冷静さを
取り戻し、挨拶をした。


「いえいえ、こちらこそ。
璃走がいつもお世話になっております。
今日は、うちの花楓が
無理を言ったようで、すみません。」


松田さんの母親は、そう言うと
私に深々と礼をする。


「い、いえいえ。全然そんな。」


お互い頭のさげ合いを
始める女3人。


「まぁまぁ、母さんも花楓も。
本間先生も。どうぞ座ってください。」


見かねた松田さんが
座るように促してくれた。


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