ハル色に染まるるを…


「すみません。
女子会に割り込んじゃって。」


ちょっとすまなそうにしながら
頭を下げてくる松田さん。


「いえいえ。大丈夫ですよ。」

嬉しそうに答える結城さんを見て
思わずニヤつきそうになる。


三人でワイワイと話しながら
料理の注文をして食べて…時間は過ぎてゆく。


さて。邪魔者(私)は、どうやって
消えようかしら…


キューピット!

仲人に私はなる!



「ちょっとお手洗い。」


結城さんに小声でそう告げ
スマホを持ってトイレへと急ぐ。


『恋のキューピットになりたいから
10分したら、電話して!!お願い!』


頼れるお兄様に、そう連絡を入れると
またそそくさと席に戻る。


「おまたせ。」


「ううん〜。大丈夫。」


結城さんが笑顔で答えてくれる。


席について、今か今かと電話を待つ時間
そわそわと落ち着かない
子供のようだったのかもしれない。


「本間先生、何かあったんですか?」


電話もかかってきていないうちから
松田さんに怪しまれてしまった。
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