ハル色に染まるるを…
ハルくんのアドバイスもあり
少しレベルは落ちるけど、将来の目標に合う
志望校にしたからこそ叶った夢。
人生の重要な選択地点には
いつもハルくんが傍にいた。
その影響力は、私の両親が
嫉妬すら覚えるものだったそう。
そんな両親の想いなどどこ吹く風で
ハルくんを一途に想ってきた私。
アパートの階段を駆け下りながら、
右側に見えるハルくんの家に向かって手を振る。
だって、窓辺に
隠れる人影が見えたから。
ーーガシャン!
焦ったように窓が締まった。
「ぷっ!」
私は思わず吹き出した。
「見えてるっつーの。」
隠れていた人物へ向けて小さく呟く。
窓辺でバレないように見送る
つもりだったのだろう。
手紙も、自分だと
バレてないつもりなのだろう。