ハル色に染まるるを…



照れ屋なハルくんを笑いつつ、
大きな声を届ける。



「行ってきまーす!!手紙ありがと!」



ーーガシャ!


また窓が開き、やっぱりハルくんが
顔を出した。



「ばーか!近所迷惑!」



でも、そういうハルくんも大声だ。



「自分もじゃん!」


届かない言葉を呟いて、
駅へと走り出した。






ーーガタンゴトン …




電車で職場の最寄り駅に降り立った私。



慣れない土地に不安を抱えつつも
しっかりとした足取りで歩き出す。




新たなスタートを祝福するかのように
桜の花があちこちで咲いている。



新社会人としての責任、不安、そして期待。


色々な思いを胸に
思いっきり風を吸い込んだ。



ースゥーーーーーーっ!!!




入り混じった気持ちをリセットするように
ふぅ〜っと吐き出す。


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