ハル色に染まるるを…

ではなく、

いたずら顔のハルくんの姿があった。



「何してんの!」

いるはずのないハルくんの登場に
私は、キーキーと抗議した。


すると、呆れたようにハルくんは言う。

「それはこっちの台詞!何してんだ!
寝ぼすけゆい。ほら、もう降りる駅。」


そう言って、私の腕を引っ張る。


「なに、もう。ハルくんいつからいたの!」

そう言ってから、乗り込んだ時のことを
ふと思い出す。


!!!


(あ、あの笑い声って…)


停車した電車を降りながら、

ハルくんは、知らなーいとばかりに
目線を上に向けながら冗談ぽく話す。


「さぁ、どこからでしょう。
若いのに婆ちゃんみたいな掛け声で
座るOLさんが居たのは知ってるよ〜。」


誰のことかなーなんて、今度はこっちを
じっと見ながらクククっと笑い始める。


!!

乗り込んだ時のことだ。


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