ハル色に染まるるを…


噂をすれば……じゃないけど、
松田さんからの電話だった。


休日出勤しているらしい…


自分が今度、資料を
持っていくかもしれないとのこと。

事務所に電話したが
繋がらなかったから、と。


野暮用に少し拍子抜けしつつも、
電話を終え部屋へと戻る。


ハルくんがまた、ソファーの下の
定位置に戻って待っていた。


「お♪おかえり。
ゲームセットしといたよ。」


ニカッと笑うハルくんに
ちょっと溶けそうになる。


わーい♪


さすが、気が利くハルくん。


「ありがとー!」


隣に座ろうと近づく私。


すると、ハルくんがちょっと低い声で
話しかけて来た。


「なぁ、ゆい。仕事に口出すのはあれだけど。
あんまり休みの日には仕事の電話
出ない方がいいぞ。収拾つかなくなるから。」


ちょっと難しそうな顔をするハルくん。


…まぁ、そうなんだろうけど。
緊急の時もあるし。

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