ハル色に染まるるを…



「うーん。林田先生はでも、なるべく
すぐ出るようにって言ってたから…」


よく憎まれ口叩いたりするけど
ハルくんの真面目なアドバイスに対して
反論するのは慣れない。


歯切れの悪い私の回答に、ハルくんは
スクッと立ち上がって笑顔を浮かべ
頭をわしゃわしゃしてきた。


「ん。もう大人だもんな。
仕事に口出して悪かった。頑張れよ!」


そう言うハルくんの笑顔が
少しだけ寂しそうに見えたのは


気のせいですか?


「ありがと…」


下を向いて、ちょっと
テンションの下がるわたし。


と、視界に赤いコントローラーが
入ってきた。


「ゆい〜。よし、ゲームするぞ。」


ハルくんが差し出してきたのだ。



「うん!」


そう言って私達はゲームを始めた。



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