ハル色に染まるるを…



そう、後ろに人がいたのだ。



「ちょ、コミハルさん!!
いつからいたんですか?」


驚いている私達とは裏腹に
その男は平然と答える。


「さっきからいました。」

物音一つ立てず、人の背後に座っていた
このちょっと変な人は、小宮山晴哉さん。


ハルくんの同居人で、
ハルくんとは同い年らしい。

名前が途中まで同じだから
コミハルさんと呼んでいる。


ハルくんもそうだけど、
だいたい家にいるか私服で出掛ける
職業謎の暇そうな人。

あと変人。親の名前を忘れたり
ご飯を何日も食べ忘れたりする。


「声くらい掛けろよ、びっくりしたー。
って、おい!こら!」


ハルくんが、突然立ち上がり
キッチンに向かって走っていった。


いつの間にかキッチンに移動していた
コミハルさんが私が持ってきた
手作りプリンを食べていたから。

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