ハル色に染まるるを…


焦る私をよそに、ハルくんは
通常営業にスッと戻って熱弁を始めた。

「いや、ホントこれ人生イチ旨いもの食べたよ。
レストランでも出したら?」


大真面目な顔をしてハルくんが
そんなことを言うから


「大げさだよ!」


思わず突っ込んだ。


と、ハルくんがおもむろに
箸を置き、両手をテーブルについて
頭を下げた。


???


「また作ってください。ゆいさん。」


急にさん付けで呼ぶハルくん。


ーーえぇ!?
そんなに気に入ったの?


「はい。いつでも作りますよ♪
晴人さん。」


ゆいさんって言われたから
私も晴人さんって言ってみた。



ーーゴンッ!


!?


頭を下げたままだったハルくんが急に脱力して
机にオデコをぶつけた。


「えぇ!?何やってんの、ハルくん。」


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