ハル色に染まるるを…


そう、あの日ハルくんは
私を助けて怪我をした。


アウトドア上級者の遊びに混じった
無鉄砲な私が足を滑らせ
川に落ちてしまった時のこと。


私は泳げるはずなのに、溺れてしまった。


想像以上に速い流れ、
低い水温に焦ったからだろう。



「ゆ"い!!!」


遠くの方でハルくんの絶叫が
聞こえたのは覚えている。


ハルくんは、離れた所で居たのに
一番に飛び込んでくれたそう。


川の流れに翻弄されて
あちこちに身体をぶつけながらも
必死に泳いで助けてくれた。


背中や手足に無数の怪我を負った
ハルくんに対して、

私は水着が汚れた程度で…
殆ど怪我をしていなかった。


多分ハルくんが
庇ってくれたんだと思う。


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