ハル色に染まるるを…
「お待たせしました。お世話になります!」
私が応接室に入ると、
そこにいたのはやはり松田さんだった。
サッと立ち上がり、お辞儀する
その姿はどう見ても好青年だ。
「あ、本間先生。お世話になります!
すみません、突然。」
「いえいえ。大丈夫ですよ!」
やっぱりこの前の違和感は
ハルくんのいうとおり、私の潔癖症のせいかな。
「お昼に出る次いでに、
今月の資料預かって持ってきちゃいました。
あ。本間先生も、出るとこでした?」
「はい。なぜ…」
そう言おうとして、自分が犯したミスに気がつく。
焦って、応接室に来た私は
カバンを持ってきてしまっていたのだ。