ハル色に染まるるを…


すると、阿桜さんにまた呼び止められる。

「本間先生〜!高梨機工さんから2番お電話です。
多分事務員さん?から。」


「はい!」


ちょうどいい。

松田さんに資料をお渡しすることを
お伝えしておこう。


「お電話かわりました、本間でございます。
お世話になります。」

『お世話になります。高梨機工、事務の真鍋です。
さきほど松田に資料を渡しまして。
ま、松田がこちらを出たことに気が付かず
連絡が遅くなりまして…もし先に
着いてしまっていたら、申し訳ありません。
もうついてます…よね?』

「あ、はい。でもお気になさらないでください。
資料お預かりさせていただきました。
真鍋さん声大丈夫ですか?」

不自然なほど、声が掠れている真鍋さん。
ひどい風邪のようだった。

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