いつだって恋は雨模様
「私なんかがいいの?」

「俺は、桃井さんがいいんだ」

心臓がとくんと音をたてる。

段々顔が赤くなって、熱くなって、照れ隠しをするように

早くいかなきゃと、菅谷くんの手を引っ張って軽音楽部にいった。

ついたときに、一瞬軽音楽部の人達の動きが止まる。

私たちが息きらしながら入ったからかな?

「君って、10光年に一人の美人と呼ばれてる、

桃井風花さんだよね?

んーと...もしかしてカップルで

『軽音楽部入部希望でーす!』みたいなかんじ?」

そう言われてから、私たちがまだ手を繋いでいたことに気がついた。

「いや、私たちは恋人とかではないです」

そういうと、ほっとしたように顔を覗きこんできた

この人は、あとから知ったけれど

軽音楽部部長の、七星 翠(ななせみどり)先輩

バンドのなかでは、ドラムを担当している。

とってもフレンドリーな人で、

明るく、先輩は『彼女ができない、彼女ができない』と騒いでいるけれど、

2日に1回は告白されているところを見る。

私のいるこの学校は、部活に力をいれていて、

どの部活も和気あいあいと、大会を目指して頑張っている。

特に強い部活は、

バスケ部、軽音楽部、演劇部らしい。

他の部活もどれも強く、それが学校の売りだったりもする。
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