いつだって恋は雨模様
「菅谷くん、軽音楽部に誘ってくれてありがとう」

「いや、こちらこそまさか桃井さんに入ってもらえると思ってなかったから」

部活動結成集会をおえて、私ははれて軽音楽部の一員になった。

何よりもびっくりしたのは、大峰くんが軽音楽部に入っていたことだ。

なんとなく部活に入ってくる時点で、大体バンドのメンバーができていた。

私たちは、もちろん菅谷くんと私でできていたけれど、

ベースとドラムが足りなかった。

「どうしよーね」

「どうしよ」

「あのっ僕、ベース希望なんだけど空いてる?」

可愛い声に後ろを振り向くと、懐かしい顔があった。

「大峰くん!」

断る理由もなかったので、普通にオッケーした。

残るは、ドラムの子がいない。

ぼーっと周りを見渡すと、一人だけキョロキョロしている女の子がいた。

「あの人は、青葉 未来(あおばみらい)さんだよ。

確か放送局と掛け持ちしているよ。

昼とかのアナウンサーの声、あの子だよ」

『みなさん、こんにちは』でお馴染み。

誰がこえかけにいくと聞こうと思ったら、

なぜか菅谷くんがもう連れてきていた。

「みなさん、こんにちは。

青葉未来です。

日頃のストレスを部活ではらすために、ドラム希望です。

よろしくお願いします」

「「「よろしくお願いします!」」」

「これで全員集合だな」

「そういえば、チーム名はどうするの?」

「僕、いいのがあるんだけど」

「なになにー」
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