黒猫の寿命
私はあの時ご飯を探しに行っていた。

誰かが取ってきてくれるわけじゃないし、生きるには自分で探すしかない。

通りを渡ろうと走り出した時車が前から来た。

どんどん近づいてくるにつれて体が動かない。

あっ、私死んじゃうのか。

死ぬことが怖いとかじゃなくて寂しかった。

誰かに優しくされることもなく死ぬことが寂しくて寂しくて。

でも足が動かない。

あーあ。

その時私の体が浮いた。

え?

ダンッ


どこも痛くない。

それは誰かに抱きしめられていたから。

死ななかった…よかった…

「おい透!なにやってんだよ!」

「いってぇ…」

「お前イケメンかましてんじゃねぇよ!」

「だって轢かれそうだったから」

そう言って笑う男の人に私は一目惚れしてしまった。

今までたくさんの人間を見てきたはずなのにこの人は一番かっこいいと思った。
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

my teacher

総文字数/6,691

恋愛(純愛)44ページ

表紙を見る
アラジン 〜in High school~

総文字数/4,080

恋愛(純愛)18ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop