10日間彼氏
なにか、切羽詰まったような顔をしている。

「な、なにその格好」

「今朝時間なくて、メイクも髪型もちゃんとできなくて。女子力ゼロだよね」

ハハッて情けなく笑った。

なぜか彼の体があともう少しで触れ合うくらいに近くにいるので、ドギマギする。

この距離はまさにさっきの青くんと彼女の距離だ。

彼がまた一歩近寄ろうとしたので後ろへ下がると壁に背中があたる。

あっ、て思った瞬間に彼が私を腕の中に閉じ込めるように壁に手をつき逃げ場を塞がれてしまう。

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