10日間彼氏
「大丈夫?」

誰かの優しい声がして、消えかけていた意識がひきもどされた。

一瞬その声が大好きなあの人のものだと思ったから。

誰かが、助けにきてくれたんだ。もしかしたら青くんが?

「奈緒、大丈夫?先生来てくれたよ。保健室連れて行ってもらうからね」

うっすらと目を開けると、美里の泣きそうな顔が見えた。

美里と先生?

同時にフワリと体を持ち上げられる感覚がした。

先生に運ばれているのかな、私。

瞼が重くて開けられないよ。

青くんがきてくれたと思うなんて、私、どこまで都合よく考えてたんだろ。
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