10日間彼氏
落ちて、お願いー。

「なんでも、あなたの言う通りにしますから、彼女にしてください」

精一杯の上目遣いで懇願すると、驚いたように目を見開かれた。

「なんでもって・・・女の子がそんなこと言ったらいけないだろっ」

え?私ったら今とんでもないこと言っちゃったのかな?

彼は少し不機嫌そうに私から、視線をそらせている。

「ごめんなさい」

そ、そんなぁ。

叱られてしまった気がして、しょんぼりして項垂れる。

ひょっとして軽い女の子と思われてしまったのかな、どうしょう、悲しい。

俯いて、泣きそうになり震える手をギュッと握りしめた。

「わかったよ、そんな顔しないで」

しばらくしてまた、優しい声が上から降ってきて、嬉しくて彼を見上げた。

「それじゃあ、付き合いましょうか?」


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