10日間彼氏
諦めたように、苦笑いする彼。

「い、いいんですか?」

私は今彼がオッケーしてくれたことが信じられなくて、声が裏返って叫んでいた。

「まあ、はい、やっぱり辞めときますか?」

「いえ、付き合いたいです。是非」

ついつい嬉しくて、一歩彼に近づいたけど彼は半歩後ろへ下がる。

ちょっと、引かれてる?

だけど、そんなこと気にしない。今の私は天にものぼる気分だ。

「じゃ、そういうことで、ただしいくつか条件があるんだけど」

「は?条件ですか?」

どうしょう、へんな趣味とか強要されたら。

ドキドキ。

もしそうだとしても、なるべくご要望には、お応えしないと。

私、色気はあまり無いんだけど。まあいいか、この際。

「実は、僕はあと10日したらうちの高校を去ることになります」

彼は、優しく私を見つめはっきりと言った。

だけど、私は目が点になる。

は?今なんて?なにをおっしゃってますか?

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