10日間彼氏
学校の南門の横にはケヤキをはじめとしてユリノキ等の大きな木がたくさんある。

一年生の彼等は、その背の高い木々を写生するために各自場所を取り始めているようだった。

私はそれを少し離れた場所からこっそりと見ていた。

今日は、気持ちのよい五月晴れで、絶好の写生日和だ。

木々の深い緑色の葉が陽光に照らされキラキラ美しく輝いている。

森沢先生は、生徒達のグループをまわって、なにやら話しかけては、優しい眼差しでスケッチブックを覗きこんでいる。

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