10日間彼氏
これでもう、2度と会うこともないのかな。

そう思ったら、突然、胸の奥がひりひりと痛くなる。

「ご、ごめん、美里、先に戻ってて。私、講堂に忘れ物したみたいだから」

「一緒にいこうかー?」

1人で、大丈夫だよと言って、今上がってきた階段を急いで駆け下りた。

まだ、あそこにいるだろうか。

我ながら、しつこいな私。

一階に着くと、職員室前にはまだ森沢先生と生徒達が話していた。

ユイカさんはもうそこには、いなかった。
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