10日間彼氏
3時間めの国語の授業中、窓際の席の私はぼんやりしながら、窓の外を見ていた。

5月の空は明るくて、美しい青色にハケで白いペンキをはいたように見える薄い雲を眺めていた。

ハアッ、なんていいお天気だろう。

こんな日に彼とデート出来たらどんなに幸せだろう。

本当なら10日目の最終日の今日は、記念に残るようなデートができたのかもしれないな。

だけど、もうどうしたって会えっこない。

彼はもう私のことなんて1ミリも、想ってくれていないかもしれない。

可愛いげのない奴って、愛想つかされちゃってるかもしれない。
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