10日間彼氏

ふいに、彼が集中して何かを描いていた姿が浮かんできた。

いつも、何を描いているのかは、見せてくれなかったけれど。

「青くん」

10日目の最終日、たとえ会えなくても何か私にも彼の役にたてることがあるだろうか。

そう思ったら、勝手に体が動き出していた。

意を決して、ゴミ箱に手を入れて中の奥の方を探してみた。

だけど、すぐには見つけられなくて他のゴミ箱も覗いてみた。

たしかに、燃えるゴミに入れた気がしたけれど間違いだったんだろうか。

「なにやってんだい？探し物かい？」