10日間彼氏
通りかかった学校の用務員さんが、怪訝そうに話しかけてきたので、事情を説明した。

「間違えて大事なノートを捨ててしまったみたいなんです。ゴミ箱を見たけど見当たらなくて」

「午前中のゴミならさっき係りの生徒さん達がまとめて、ゴミ置場の方に持って行ってくれたよ」

私がいつものような、泣きそうな顔をしていたからか、用務員のおじさんはいたく同情してくれたようでビニールのゴム手袋を渡してくれた。

「ゴミで怪我をしないように気をつけてな」

「はい、ありがとうございます」
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