10日間彼氏
どこから持ってきたのか、彼は確かに正門の鍵を持っている。

「ほら、はやく入って」

「う、うん」

「ほら1時間目始まるよ、急いで」

彼と新校舎へ向かって一緒に走った。

「ありがとう、鍵どうしたの?」

「ちょっとね、バレないように借りてきた」

彼はいたずらっぽく笑う。

その笑顔の素敵さに、胸がキュンキュンする私。

「えー、そんなのバレたら叱られちゃうよ」

「大丈夫だよ。職員室に返してくるから、君は早く教室行って」

「あ、ありがとう。私のために」
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