10日間彼氏
ある日の放課後、正門を出て行く彼を見つけると、私はいてもたってもいられず走り出していた。

フラフラとその人の後を追いかける。

長身で細身のその引き締まった彼の後ろ姿に、うっとりしながら。

自分でも馬鹿だってわかってるけど。

だけど、もうちょっとだけ後をついていきたいんだ。

駅まであともう少しの距離にある信号を渡りきった時、彼は突然早足になった。

駅の方向にはいかないようだ。

私も慌てて走り出す。

待って、待ってください、私あなたに伝えたいことが。
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