10日間彼氏
まさかこんな危険を冒してまで私のことを、助けてくれるなんて思わなかった。

凄く嬉しいな。

「君の彼氏だからね、10日間だけだけど」

ううっ、そうでした。期間限定なのが、悲しいよぉ。

悲しい現実を突きつけられ、教室へ向かい彼に背を向けてトボトボと歩き出す。

「その服、君に良く似合ってるよ」

振り返ると、彼は目を細めてふんわり明るく笑っているので、私もつられて笑う。

「今日もデートしよう、昨日の店で待ってるから」

「う、うん」

一気に機嫌を良くした私は、彼に手を振って教室へ弾むように、駆け出した。
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