10日間彼氏
彼の方を見れなくて俯きながら呟いた。

「うん、それでも構わないよ」

彼の手が、優しく私の背中をさすってくれる。

多分泣きだすんじゃないかと心配してくれているんだろう。

でも、今は絶対泣いてはいけなかった。

「電話して、会いたいって言っちゃうよ、私、多分、青くんのことで我慢とかできる気がしないから」

「桃ちゃん」

「そしたらきっと、青くんに迷惑かけてしまうと思うの。だけどそれだけは絶対に嫌」

彼の長年思い描いていた夢に、少しでも影を落とすことは、できないし、したくない。

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