10日間彼氏
背が高くて、手足も長くて、色が白くて、瞳が艶やかに美しくてハンサムな私の彼氏。

将来の夢がちゃんとあって、絵が上手で、優しくて、私なんかを好きになってくれた彼氏。

「青くん、10日間彼氏でいてくれて、ありがとう」

「桃ちゃん、僕こそありがとう。こんな想いさせてごめん」

「卒業式終わったらどこに行けばいい?」

「あのコンビニで会おう、必ず、待ってるから」

「うん」

彼が、腕を伸ばしてくるのがわかったけれど、私はわざと後ろへ3歩下がった。

もう、涙が出る30秒前だ、ヤバイ。

< 211 / 224 >

この作品をシェア

pagetop