10日間彼氏
「大丈夫、いつもは平気なんだけど、デートだから緊張しちゃってて、それで乗り物酔いしたみたいなの。もうだいぶ良くなったよ」

エヘっと笑ってみせると、彼は眩しそうに目を細めて頭を撫でてくれた。

「君は優しいな」

「そんなことないよ」

彼が、遊園地に凄く行きたがったから、私は自分があまり乗り物が得意じゃないことは隠してしまった。

だって、10日間の恋人関係を楽しく過ごして少しでも好きになってもらいたくて、ついつい我慢してしまったのだ。
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