10日間彼氏
ボッーと、余韻に浸っていると、親友の美里が、教室の中から、猛ダッシュで私に駆け寄ってきた。

「ちょっとー、誰よ、あの、いい男。知り合い?」

「知らない人、名前も学年もわからない」

俯きながら答える私を怪訝にみつめながら、美里はうーんと唸る。

「あの人どこかで、見たことあるんだよね。思い出せない。あんなイケメン一回見たら忘れないのに」

「誰なんだろう」

彼女のくせに名前も知らない私は、ため息混じりに呟く。

もしかしたら、彼の名前って、

モリ ケイ?

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