10日間彼氏
夢を見ていた。

大好きな彼がベンチに寄り添って座っていて、甘い甘い言葉を私に囁いてくれる。私を口説こうと一生懸命な彼の不思議な姿。

ああ、これは夢だなとすぐにピンときたけれど幸せな夢だからもう少し、このまま目を瞑っていたかった。

だけど、なんて言われているのか彼の声が、全然聞こえなかった。そんな、完璧ではない、あともう一歩な夢だった。

「大好き」

ムニャムニャ言いながら目を開けたら真っ暗だったから、慌てて飛び起きた。
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