10日間彼氏
そして、私の絆創膏だらけの手をとるとゆっくりと包みこんだ。

大事なものを扱うように指に触れられてドキドキした。

「いじわる」

「なんのこと?」

顔が熱くなりギュッと、目を閉じた。

からかうように意地悪言うくせに、すぐにこうして、簡単に私の気持ちを持ち上げる彼は、ズルい。

彼にとっては、私なんて、チョロい女なんだろうな。

「痛い?」

「ううん、平気です」

なぜか敬語になってしまい、彼の手から逃げるように、手を引っ込めた。
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