10日間彼氏
「柔らかい」

頬をプニプニ指でつままれたので、彼の手を掴んだ。

私を見下ろす彼の瞳が、いつもと違って見えた。

「青くん」

ドキドキしてきてしまったので、視線を逸らした。

「そんな顔するなよ」

「え、どんな?」

意味がわからなくて、彼を見上げると少しだけ距離が近い気がした。

私から無意識に近づいたのか彼の方からなのかわからない。

「キスしたくなるだろ。そんな顔しないで」

「ご、ごめん」

なにを謝ってるのかわからなかったけど、頭は完全にパニックだった。

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