Snow Doll ~離れていても君を~

「龍臣からOKもらえれば、泊まってもいいよ」

私のセリフをある程度予想していたのか、簡単に返事をくれる。


「ありがとう。本当は私が自分の家に帰ればいいんだろうけど。今はそれができないから。ごめんね、迷惑かけて」

「いいの。気にしないで。私もこれ以上、海里と二人きりにはできないなって思っていたところだったから」



ケイは一旦荷物を取りに自宅へ帰ることになり、私はそれまで海里のマンションに入って待つことにした。

すぐにケイから連絡が来て、電話で如月先輩の了解をとったらしく、あとは海里の了承を得るだけになった。



リビングに入ると、海里はすでに私服に着替えていてTVをつけていた。ちらりとこちらを見ただけで、また目線を画面へ戻す。


二人きりというこの状況は、少し前まではそれほど気にならなかったのに。
一度海里への気持ちを意識してしまうと、ぎこちない空気になる。


それでも勇気を振り絞り、ソファに座る海里へ、やや離れた場所から声をかけた。


「あの。今日からケイが、時々ここに泊まりに来てくれることになったんだけど、いいかな?」

「……あいつが?」
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