Snow Doll ~離れていても君を~
「さあ。俺らも行きたいけど、海里の号令次第かな。俺や椎名は、別に海里みたいに如月さんに忠誠を誓ってるわけじゃないんだ。海里が如月さんのチームに入ってるから俺達もついでに、って感じ」
「そうだったんだ。みんながみんな、如月先輩の配下ってわけじゃないんだね。ちょっと安心した」
ホッと胸を撫で下ろすと、そんな私を見て小野寺君が吹き出すように笑う。
「っ、なんで優希奈ちゃんが安心すんの?」
「だってみんな、如月先輩のためなら何だってしそうな勢いで、怖くて……」
「ははっ、確かにね」
小野寺君は大きな吊り目を細くして、八重歯を覗かせて笑う。
その様子に何だか見覚えがあり、私はじっと彼を見つめた。
彼の声を聞いていると、不思議と懐かしい感じがする。
過去にもどこかで会ったことがある……?
古い記憶を辿っていると、小野寺君が急に立ち上がった。
「あ、ヤベ。旦那さん帰ってきたよ」
旦那さん……?
私が首をかしげている間に、小野寺君はすばやく階段をおり、私へ軽く手を振った。
下を見ると学校帰りの海里がこちらを睨むように見ている。
小野寺君はすれ違いざま海里の肩を叩き、走り去って行った。
「そうだったんだ。みんながみんな、如月先輩の配下ってわけじゃないんだね。ちょっと安心した」
ホッと胸を撫で下ろすと、そんな私を見て小野寺君が吹き出すように笑う。
「っ、なんで優希奈ちゃんが安心すんの?」
「だってみんな、如月先輩のためなら何だってしそうな勢いで、怖くて……」
「ははっ、確かにね」
小野寺君は大きな吊り目を細くして、八重歯を覗かせて笑う。
その様子に何だか見覚えがあり、私はじっと彼を見つめた。
彼の声を聞いていると、不思議と懐かしい感じがする。
過去にもどこかで会ったことがある……?
古い記憶を辿っていると、小野寺君が急に立ち上がった。
「あ、ヤベ。旦那さん帰ってきたよ」
旦那さん……?
私が首をかしげている間に、小野寺君はすばやく階段をおり、私へ軽く手を振った。
下を見ると学校帰りの海里がこちらを睨むように見ている。
小野寺君はすれ違いざま海里の肩を叩き、走り去って行った。