Snow Doll ~離れていても君を~
「優希奈がそうしたいなら、理希も呼ぶ」

「本当……? ありがとう」


あの懐かしさの理由が知りたい私は目を輝かせた。

対照的に、海里の機嫌がどんどん悪くなっている気がする。
エレベーターのボタンを押すとき、少し乱暴だった。




部屋に着き、キッチンに買ったものを置いて夕食の準備に取りかかろうとしたとき。

急に海里が私の腕を掴んだ。


「……何?」

「どうして理希に興味を持った? 今まで、同じクラスだったのに全然気にしてなかったはずだよな」


腕を掴んだまま顔を覗き込んでくるので、ドキドキしながら答えを探す。


「それは……、海里の友達だから、気になってきたというか。ごめんね、私なんかが小野寺君に近づいて」

「いや、別に。近づくなとは言ってない」


ようやく、海里が私の腕を放す。


「あのね、さっき初めて二人で話してみて、声とか表情が、なぜだか懐かしいと思ったの」

「懐かしい……?」

「そう。昔、もしかしたら、どこかで会ったことがあるのかも。小学校、小野寺君がどこの学校だったか知ってる?」
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