Snow Doll ~離れていても君を~


シャワーを浴びて、あとは寝るだけの状態にしてから、海里を誘って一緒にTVを見ることになった。


昨年のクリスマスに兄からプレゼントされた、ふわふわのガウンを羽織った私は、三人掛けのソファの左端に座る。


海里は私との間を空けて右端に座った。

ソファの端と端に腰かける私達は、地上波初登場のアニメ映画を観賞する。

軽く頬杖をついて、海里は映画に集中しているよう。


家族の絆がテーマの作品で、恋愛要素は薄めだったので海里の隣でも比較的落ち着いて見ることができた。

ラブシーンでも出てこようものなら、恥ずかしすぎて見ていられない。


終盤、私の涙に気づいた海里がティッシュを箱ごと渡してくる。


CMに入ったとき、私は画面を見たままぽつりと言った。


「私ね、母と血が繋がっていないの。この主人公みたいに。だから感情移入しちゃった」

「……じゃあ、その傷は血が繋がっていない母親から?」


私は無言でうなずく。
肩の火傷の痕は、継母がつけたものだ。
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