Snow Doll ~離れていても君を~
「ちょっと、ユキが困ってるじゃない。ユキの意見も尊重してあげて?」
「じゃあ、優希奈さんは本命に振られた場合、誰と過ごしたいの?」
春馬君に理希、ケイの視線が私へと集まる。
この中の誰か一人を選ぶのは難しいし。
本命に振られた場合だなんて、何だか不吉……。
「──あ。それなら。24日のお昼過ぎに、皆で一緒にケーキを食べるのは? 私、苺のケーキでよければ作るから」
いいことを思いついたとばかりに、私は手を合わせる。
「昼間……」
「みんなで……?」
理希と春馬君は苦い顔をしていたけど、ケイはパッと目を輝かせた。
「そうね、そうしましょう! 私も手伝うわ」
如月先輩は冷たくなってしまったけれど。
ケイ達は何も変わらなくて。
それだけで私は救われた気がした。