Snow Doll ~離れていても君を~
「結果?」
「海里君のこと、誘えたの?」
「あ……、うん。今日の夕方から会うことになったの」
うつむいて顔を隠しながら私は答えた。
「海里の方から誘ってきたんですって」
私の足りないセリフをケイが補ってくれる。
「はー、マジか。海里意外とやるな」
「海里君、へたれじゃないときもあるんだ」
苺をフォークで突き刺した春馬君が真顔で毒づいた。
「そういえば、ユキに渡したい物があるの」
向かいに座るケイが、ケーキの隣に綺麗にラッピングされた箱を置く。
「ユキに似合うかと思って。開けてみて?」
中を開けてみると、キラキラしたジュエルのケースに入ったクリスマスコフレで、ピンク系のリップとチーク、アイカラーが揃っていた。
「これってクリスマス限定の? すごく嬉しい、ありがとう」
笑顔でお礼を伝えると、ケイも微笑んでくれて、でもその笑顔はどことなく儚げなものだった。
「これは俺から」
隣に座る理希が渡してくれたのは、私の好きなクマのキャラクターのぬいぐるみだった。大きさは手のひらサイズ。
しかも新キャラで、前から欲しかったけど買えていない物だった。