Snow Doll ~離れていても君を~
海里は罵られたにも関わらず、心ここにあらずで窓の外の雪景色を見ていた。
そばに優希奈がいないことが不思議に思えるほど、心に穴が空いていて、空虚な目つきをしている。
「ねえ、いいの? このままで」
「よくない」
憮然と海里が答える。
「あいつを取り戻す方法を考えてる」
「良かった。あきらめてなかったんだね」
「俺も手伝うぞ、優希奈ちゃんとまだ話したいことがたくさんある」
「私も。たとえ龍臣に刃向かうことになっても、ユキを取り戻したい」
数分後。
皆一様に、目に光を取り戻していた──。