Snow Doll ~離れていても君を~
「……海里。大好きだよ」
いつも助けてくれる彼への想いが溢れてきて、私は自分から彼に飛びつき、強く抱きしめた。
「っ、優希奈」
ちらっと彼を見上げると、焦ったような顔をしていて頬の辺りが赤く染まっている。
「何をいきなり……。ここが外だってこと、忘れてないか」
「海里だって、さっき抱きしめてくれたでしょ?」
「いや、あれは俺からだから、いいんだよ」
「ふふ、もしかして照れてる?」
「……そういうことは言わなくていい」
自分の顔を見せないようにするためか、それとも無意識なのか。
海里は私を胸元に押しつけるように抱きしめ返してくれた。
ふと、晴れているにも関わらず空から雪が降ってきて、私と海里の肩に静かに降り立つ。
「こうしていると、一秒すら離れたくなくなるな」
そんな風に思ってくれていることが嬉しくて、私も彼の背をさらに強く抱きしめる。
「……じゃあ、ずっと抱きしめていてね」
あたたかな海里の腕の中。
ずっとここに居ていいと、認められた気がした。
Snow Doll ~離れていても君を~【完】