Snow Doll ~離れていても君を~
最近、触れ合いがない。
そう気づいたのはバレンタインの前日だった。
元々、海里はベタベタと触ったり甘えてきたりするタイプではないのはわかっている。
けれど、あまりにもスキンシップが足りない。
クラスで私達が付き合っていることを知っているのは、ほんの数人。
教室で海里が話しかけに来ることもなければ、一緒に登下校することもなかった。
冬休みが明け、同居を解消してからは一度も海里のマンションに呼ばれたこともなく。
これでは、付き合った意味があるのかどうか……。
悩んだ私は、とりあえずケイに相談してみることにした。
*
「ふふ、可愛い悩みね」
校内にあるコミュニティルームの窓際の席でケイに打ち明けたところ、返ってきたのは微笑ましいと言わんばかりの笑顔だった。
「笑い事じゃないの、真剣に悩んでるんだから」
頬を膨らませた私はテーブルへ、トン、と拳を打ちつけた。