Snow Doll ~離れていても君を~
*
「帰ってたのか。早いな」
合鍵で家に入ってすぐ、海里も後から帰ってきた。
「如月さんと一緒に泊まるんじゃなかったのか?」
怪訝そうに私を見ながらライダースジャケットを脱ぐ海里。
「そうだけど。なぜか帰してくれたの」
「まさか如月さんを怒らせたわけじゃないよな」
「そんなこと、してないよ。たぶん」
海里の顔はよく見ると擦り傷のようなものがたくさんあって、頬や唇に赤い血が滲んでいた。
「大変、消毒しなきゃ」
「洗い流しとけば大丈夫だって」
軽く返事をした彼は、洗面台へ向かう。
如月先輩に告げられた言葉を思い出し“好き”という言葉を一度意識してしまうと。
もう普通に、海里の目を見て話せなくなっていた。
顔を洗い終え、冷蔵庫を開けた海里はミネラルウォーターを一気飲みしていた。
ごくごくと喉に流し込むたびに、喉仏が動き妙な色気を感じる。
唇を手の甲で拭った彼は、ふと私を振り返った。
「帰ってたのか。早いな」
合鍵で家に入ってすぐ、海里も後から帰ってきた。
「如月さんと一緒に泊まるんじゃなかったのか?」
怪訝そうに私を見ながらライダースジャケットを脱ぐ海里。
「そうだけど。なぜか帰してくれたの」
「まさか如月さんを怒らせたわけじゃないよな」
「そんなこと、してないよ。たぶん」
海里の顔はよく見ると擦り傷のようなものがたくさんあって、頬や唇に赤い血が滲んでいた。
「大変、消毒しなきゃ」
「洗い流しとけば大丈夫だって」
軽く返事をした彼は、洗面台へ向かう。
如月先輩に告げられた言葉を思い出し“好き”という言葉を一度意識してしまうと。
もう普通に、海里の目を見て話せなくなっていた。
顔を洗い終え、冷蔵庫を開けた海里はミネラルウォーターを一気飲みしていた。
ごくごくと喉に流し込むたびに、喉仏が動き妙な色気を感じる。
唇を手の甲で拭った彼は、ふと私を振り返った。