Snow Doll ~離れていても君を~
*
夕飯前のスーパーは異常なくらい混んでいる。
海里はあらかじめ買う物をメモしてきたのか、白い紙を片手に買い物カゴへ食品を入れていく。
毎日自炊しているため、慣れた様子で混雑した店内を進んで行った。
私は海里の背を視界に入れつつも、食後のデザート選びのためフルーツのコーナーで立ち止まった。
男の子はあまり果物とか食べないかな?
でもケイは美肌を気にしていそうだし、一応買っておこう。
そう思い、ミカンに手を伸ばしたそのとき。
「優希奈?」
背後から肩を叩かれ、ビクリとして振り返った。
すぐそばに立っていたのは、サラサラとした茶褐色の髪の男子高生。
私の兄、薫(かおる)だった──。
夕飯前のスーパーは異常なくらい混んでいる。
海里はあらかじめ買う物をメモしてきたのか、白い紙を片手に買い物カゴへ食品を入れていく。
毎日自炊しているため、慣れた様子で混雑した店内を進んで行った。
私は海里の背を視界に入れつつも、食後のデザート選びのためフルーツのコーナーで立ち止まった。
男の子はあまり果物とか食べないかな?
でもケイは美肌を気にしていそうだし、一応買っておこう。
そう思い、ミカンに手を伸ばしたそのとき。
「優希奈?」
背後から肩を叩かれ、ビクリとして振り返った。
すぐそばに立っていたのは、サラサラとした茶褐色の髪の男子高生。
私の兄、薫(かおる)だった──。