Snow Doll ~離れていても君を~
細い指の先は服に合わせてボルドーのマニキュアで彩られ。目元や唇にうっすら化粧をしている気がするし、これは準備に時間がかかるのも納得だ。
「ユキ」
真剣な表情をしたケイは私の肩に手を置いた。
「春馬君は可愛い顔して肉食だから気をつけて」
「肉食!?」
「そうよ。見た目だけで判断していたら、怖い目に合うわ」
「ひどいなー、ケイちゃんは。俺、女の子には優しくしてるつもりなんだけど」
春馬君は裏の見えない表情で、きゅっと口角を上げる。目は笑っていない気がした。
「それよりケイちゃん。最近、急に女っぽい格好をするようになったよね」
「そうなの?」
私は驚いて聞き返す。
「ちょっと前までは普通に髪も短くて、学校でも大人しくしてたみたいだから」
もしかして、だから私はケイの存在に気づかなかったのだろうか。
今みたいに華やかな人が同じ学年にいたら、嫌でも目立つはず。
「私が髪を伸ばし始めたのは、つい最近よ。龍臣のチームに入って自分を隠さない勇気を持ってから。
……だから龍臣達には感謝してる」
一瞬、瞼を切なく伏せて、ケイは呟いた。
「ユキ」
真剣な表情をしたケイは私の肩に手を置いた。
「春馬君は可愛い顔して肉食だから気をつけて」
「肉食!?」
「そうよ。見た目だけで判断していたら、怖い目に合うわ」
「ひどいなー、ケイちゃんは。俺、女の子には優しくしてるつもりなんだけど」
春馬君は裏の見えない表情で、きゅっと口角を上げる。目は笑っていない気がした。
「それよりケイちゃん。最近、急に女っぽい格好をするようになったよね」
「そうなの?」
私は驚いて聞き返す。
「ちょっと前までは普通に髪も短くて、学校でも大人しくしてたみたいだから」
もしかして、だから私はケイの存在に気づかなかったのだろうか。
今みたいに華やかな人が同じ学年にいたら、嫌でも目立つはず。
「私が髪を伸ばし始めたのは、つい最近よ。龍臣のチームに入って自分を隠さない勇気を持ってから。
……だから龍臣達には感謝してる」
一瞬、瞼を切なく伏せて、ケイは呟いた。