Snow Doll ~離れていても君を~
「いや、聞いたことがないが。まあ、あいつなら彼女の一人や二人いるだろう」
先輩の言葉に納得した私は玄関まで春馬君を見送る。
「……やっぱり、俺に自由はないのかな」
春馬君らしくない、低く暗いつぶやきが微かに聞こえた。
「外は暗いから気をつけてね」
笑顔もなく小さくうなずいた春馬君。
玄関を出る後ろ姿は、どこか寂しそうにも見えた。
再びリビングに戻ると、何やら言い争う声がする。
「私が居間で雑魚寝なんてあり得ない」
「仕方ないだろ、ベッドはこの家には二つしかないんだから」
「嫌ならお前も帰ったらどうだ?」
「それは嫌、せっかくパジャマも持ってきたのに」
「……ケイ、どうしたの?」
私が後ろから尋ねると、ケイは勢いよく振り返った。
「あ、ユキ。良いところに。私、今夜はユキの部屋で一緒に寝させてもらうから」
「──はあ?」
「……えええっ!?」
海里の声と私の絶叫が重なった。
先輩の言葉に納得した私は玄関まで春馬君を見送る。
「……やっぱり、俺に自由はないのかな」
春馬君らしくない、低く暗いつぶやきが微かに聞こえた。
「外は暗いから気をつけてね」
笑顔もなく小さくうなずいた春馬君。
玄関を出る後ろ姿は、どこか寂しそうにも見えた。
再びリビングに戻ると、何やら言い争う声がする。
「私が居間で雑魚寝なんてあり得ない」
「仕方ないだろ、ベッドはこの家には二つしかないんだから」
「嫌ならお前も帰ったらどうだ?」
「それは嫌、せっかくパジャマも持ってきたのに」
「……ケイ、どうしたの?」
私が後ろから尋ねると、ケイは勢いよく振り返った。
「あ、ユキ。良いところに。私、今夜はユキの部屋で一緒に寝させてもらうから」
「──はあ?」
「……えええっ!?」
海里の声と私の絶叫が重なった。